米国政府、公文書で「oriental」の単語を使用禁止に

2016年5月20日、アメリカ連邦法「H.R.4238」がバラク・オバマ大統領の署名を得て、正式に施行されることになりました。

同法の施行により、「oriental」そして「negro」の2語が連邦法から排除されることになります。

この orientalはアジア系アメリカ人

連邦法「H.R.4238」は旧来の「マイノリティ」の定義に含まれる呼び名を修正するもの、人種差別的呼称の廃止を旨としています。

旧来の法律、たとえば The Department of Energy Act (エネルギー省組織法)では、マイノリティを次のように定義していました。

“minority” means any individual who is a citizen of the United States and who is
a
Negro, Puerto Rican, American Indian, Eskimo, Oriental, or Aleut or is a Spanish speaking individual of Spanish descent;

Negro (黒人)や Indian (インディアン)、Eskimo (エスキモー)といった区分が今日まで使用されていた点も少し意外です。

今回あらたに施行されるH.R.4238 は、このマイノリティ区分を以下に差し替えます。

Asian American, Native Hawaiian, Pacific Islander, African American, Hispanic, Puerto Rican, Native American, or Alaska Native

つまり、ここで扱われている Oriental の語は米国内における東洋人=アジア系アメリカ人を指す呼称であり、これがもまた人種差別的な呼称と見なされているというわけです。

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対象は米国の公的文書のみ

H.R.4238 は連邦法の記述を修正・再定義するものです。これから後、米国西部の文書からは一律 Negro や Oriental といった呼称が撤廃されます。

この法律そのものが対象とするのは政府関係の公文書のみ。我々が日常でうっかり口にしてしまったからといって特に法的に罰せられるようなことはありません、が、差別的と受け止められる向きのある語という点に留意して、あえて使用せず Asian American への言い換えにならった方がよいでしょう。

oriental の語そのものが禁句というわけではない

oriental はもともと「東洋の」という意味で、この単語そのものに差別の意味が込められているというわけではありません。

 

 

 




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