英語の新聞で読む2016リオオリンピック

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2016年8月はリオデジャネイロで開催中の夏季オリンピックで世界中が盛り上がっています。オリンピックのような世界規模の催しは、海外メディアに接して報道を読み比べる絶好の機会。ぜひ国ごとの報じ方を比べてみてください。

今大会では日本代表の選手も大いに奮闘しており、日本国内のニュースに留まらず世界のメディアで多く取り上げられています。とりわけ男子の体操競技は、日本勢が団体競技を制覇、個人でも内村航平が鮮やかな逆転劇で金メダルを獲得するなど、ドラマチックな展開が注目を集めました。

オリンピックの競技・種目の英語名称一覧

英字新聞のオリンピック関連ニュース2例

【体操】内村航平の個人総合金メダル獲得

体操・男子団体では、日本が2004年アテネオリンピック以来の金メダルをつかみ取りました。そして個人総合種目では、世界選手権で連覇中の内村航平選手が注目を集めました。

イギリスの週刊紙 TIME は8月10日付けの記事で Japan’s Kohei Uchimura Wins Men’s Gymnastics All-Around in Nail-Biter との見出しを掲げ、記事中で内村選手を “Superman” Kohei Uchimura  と呼んでいます。

Nail-Biter は「ハラハラさせるもの」

記事見出し登場するnail-biter という表現は、「ハラハラドキドキさせる展開」を形容する口語表現です。

nail-biter を文字通り訳すれば「爪を噛む者」。「爪を噛むクセのある人」という意味もあります。

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爪を噛むクセのある人は、とかく心理的に不安定になると爪を口元に持って来やすいものです。nail-biter は日本語のいわゆる「固唾を飲む」ような場面を指すというわけです。

文例その1

Japan’s Kohei Uchimura, or King Kohei as he’s known, continued his reign, squeaking by Ukraine’s Oleg Verniaiev to win his second Olympic men’s gymnastics individual all-around title by 0.099 points.
日本の内村航平、王者航平はウクライナのオレグ・ベルニャエフに苦しめられながらも、体操個人総合で0.099ポイント差で王座への君臨を守った。

ポイント1:「as he’s known」

he’s は he is の短縮形です。know の過去分詞形 known と共に受け身形を構成します。

敢えてくだくだしく訳するなら、「王者として知られているあの内村航平」とでも訳せるでしょうか。良く知られた二つ名を紹介する場面でしばしば用いられる、お決まりの言い回しです。

ポイント2:「squeaking」

squeak は擬音表現から成立した動詞で、主に「金切り声を上げる」「キーキーと軋る」といった意味で用いられる語ですが、「危うく逃すところだったが、やっとの事で勝つ」という意味合いで用いられることもあります。

ウクライナのベルニャエフ選手は最終種目の鉄棒で内村航平が奇跡的な逆転勝ちを収めるまで首位に付けていました。逆転勝利の点差も恐ろしいほどの僅差です。その苦労の程が「軋みが聞こえてきそうな」という表現から伝わってきそうです。

文例その2

The win marks the second gold in Rio for Uchimura, a six-time world all-around champion.
この勝利により、内村はリオで2つ目の金メダルを、世界大会6度目の優勝を記録した

ポイント3:「six-time」

a six-time world all-around champion という表現は単数形で表記されています。six-times ではありません。もちろん誤字でもありません。

「数詞+time(単数形)」の表現を理解するには two-time、あるいは three-time を手がかりに調べると理解につながります。

OxfordDictionaries.com によれば、two-time は(形容詞としては)「2度行った(または経験した)ということ」を指す表現です。

two-time (ADJECTIVE)
Denoting someone who has done or experienced something twice:
OxfordDictionaries.com

Wictionary英語版の解説では、qualifies twice over(「2度繰り返す」と同義)と説明されています。

英語には three-time loser という慣用表現があります。原義は「3度法律を犯した(次の投獄は終身刑となる身柄)」。転じて、常に敗け続けている奴、という意味で用いられる表現です。

この(a six-time world all-around champion のような)表現は、競技大会に関する勝者( champion や winner )の優勝記録について言及する場合に好んで用いられる表現といえます。

second gold in Rio は「2個目の金メダル」という意味で用いられている省略表現です。second は序数。

【陸上】ウサイン・ボルトの100メートルでの勝利

体操の内村航平のように、世界王者と呼ばれる地位に立つ選手は、常に大きな注目を集めています。

男子陸上・短距離で世界最速記録を出し続けている、ジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)は、陸上男子100メートル走でオリンピック史上初となる3大会連続で金メダルを獲得しました。

文例

ニューヨークタイムズは Usain Bolt Is Still the World’s Fastest Man と題して熱く報じています。

Finally, Bolt struck his signature pose, known as To Di World, cocking an elbow and aiming his fingers toward the sky,[…]
最後に、ボルトは自身を象徴するポーズとして知られるTo Di Worldポーズをし、肘をかしげて空に向かって指をさした

ポイント:「known as」

ボルトが勝利後に行う独特のパフォーマンスは、To Di World ポーズと呼ばれています。

TIME は内村航平について King Kohei as he’s known と述べましたが、NYTimes は二つ名を後ろに配置する形で his signature pose, known as To Di World, と記述しています。

記述の前後をカンマで挟み、文章の脈絡から切り離している点は、TIME も NYTimes  も同様です。

To Di World の Di は、ジャマイカ・クレオール語(パトワ)において冠詞のように扱われる語です。つまりジャマイカ訛りの「To The Word」。ちなみにジャマイカの公用語は英語です。


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