英語の意味に裏がある「嫌味や皮肉で使われやすい」基礎表現

英語・英会話の基礎フレーズの中には、発言の意図にウラがある、嫌味を込めて用いられることのあるフレーズも少なからずあります。もともとはポジディブなメッセージが、ネガティブなメッセージとして、表向きはポジティブな装いのままで発せられる場合。いわゆる嫌味とか皮肉というやつです。

対人コミュニケーションに《カンペキな調和》はあり得ません。些細な不和や対立はどうしても芽生えます。でも、面と向かって非難して険悪になるのも愚策だし、だからといって一人で溜め込むのも腑に落ちない。嫌味や皮肉は、そんな場面における程よいガス抜きとして使えます。

こんなフレーズがこんな嫌味に用いられる

thank you が「ありがた迷惑」の意味を纏う

thank you は感謝を伝えるあいさつ表現です。英語を学んだその日に教わるような基礎中の基礎といえるフレーズ。相手の厚意に対する返礼として贈られるポジティブな言葉です。基本的には。

お礼の言葉は、内心ありがたく思っていない場合にも形式的に(儀礼的に)用いられる場合がままあります。厚意を受けたら、なんぼ余計なお世話でも、ありがた迷惑でも、お礼を述べる。あえて直接「ちょっと迷惑かな」などとは言いません。

空気を読まない余計な助勢、お節介、恩着せがましい言動、思慮の足りない善意。そういう行いについて thank you と述べる場合には、言外に「もう十分です」という意味が込められているかもしれません。

場合によっては「まったく余計なことをしてくれたよ」くらいのニュアンスが込められているかも。

嫌味フィルター越しだと thank you はこうなる

  • thank you for your help (手伝ってくれてありがとう)
    → 手伝い不要、余計なお世話ですので
  • thank you very much (本当にありがとう)
    → 何てことをしてくれてるんですか…
  • thanks a lot (本当にありがとう)
    → 何やらかしてくれてんすか
  • thank you for making my life just perfect (わが人生をまさに完璧なものにしてくれてありがとう)
    最悪だ!台無しだよ台無し!

英語では言葉を費やして恭しく述べることが表現の丁寧さにつながります。嫌味っぽい発言は、丁寧さの度合いが増すにつれてまずます嫌味ったらしさの度合いを増します。

I can find my own way somehow, thank you very much.
どうにかして自分で自分の道は探すからね、ありがとう(余計な口出しは無用だよ)
Thanks a lot, you spoil the mood.
感謝するよ、君のおかげで雰囲気が台無しだ

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嫌味な仄めかしではなく率直にその旨を伝える手もある

皮肉を込めて暗に嫌味を言うよりも、「こちらのことは気にしなくて大丈夫」という意向を直接に伝達した方が得策という場合も多々あるでしょう。

敢えて嫌味を込めまくって感情的に表現するなら、

  • it is not your business(君の知ったことではない)
  • mind your own business(自分のことだけ気にかけてなさい)

この辺の言い回しは英語表現としても大分キツいニュアンスがあり、言われた方は多分めげるので、使いどころには重々注意しましょう。

thanks to が「君のせいだよ」の意味を纏う

thanks to (+人)は、「(人)のおかげで」「おかげさまで」という意味合いの、謝意を表現するポジティブなフレーズです。第三者に感謝するフレーズとして用いられます。

Thanks to everyone, I finished the project.
みなさんのおかげでプロジェクトを終えられました

しかしながら、「嫌味」としてネガティブな意味で使われることもあります。その時には、「~のせいで」という訳せます。

Thanks to you, we all missed the last train.
あなたのおかげで、みんな最終電車に乗り遅れたよ

funny で「ツマラナイ」

funny の通常の意味は「面白い」です。嫌味で使うときは、相手の話がつまらないとき、相手の話が不愉快だったときなどです。日本語でも、つまらない話に対して「(投げやりに)はいはい、面白いですね」と言ったりするでしょう。

通常、very を使って very funny と言います。大袈裟な感じが「嫌味」であることを強調します。

? Your baggage? I saw someone took it.
君のカバンね、誰かが持っていくのを見たよ
? Very funny, now tell me where it really is.
ほう、それは面白い、で本当はどこなのか教えてくれるか

too bad で「知ったことか」

too bad は「残念だったね」「可哀想に」と、誰かに同情を示すフレーズです。でも、言い方によっては同情を示さないフレーズとしても使われます。「嫌味」として使われるときには、「そんなの知ったことじゃない」「どうでもいい」と訳せます。

that’s a shamethat’s a pity も、同様の意味で使われることがあります。

? I can’t come tomorrow.
明日行けなくなっちゃった
? That’s too bad. But you still have to pay for the ticket.
ほーそれは大いに残念、でもチケット代は払ってね

you know で「こんなことも知らないの?」

as you know~, you know? は、「知っていると思いますが」と相手に確認や同意を求めるフレーズです。日常会話の中でも頻繁に使われます。

しかしながら、言い方によっては「それくらい知っているでしょう?」と相手を挑発するフレーズにもなります。また、相手が知りたくない情報をあえて伝えるときにも使われます。

I hope you know は「知っていることが望ましい」と相手を諭すフレーズですが、嫌味としても使われます。「これぐらい知っておいてよ!」と言いたいときに使われます。

As you know, this project is a complete failure.
あなたも知ってのとおり、このプロジェクトは完全なる失敗です
I hope you know this is an important job.
この仕事がどれだけ大切か、あなたも分かってくれるといいんだけれど(そのくらい知ってるでしょう!)

it is so nice of you で「嫌がらせするな」

it is so nice of you は、「とっても優しいね」と相手を褒めるフレーズです。このフレーズを、嫌がらせをされたとき、迷惑を受けたときに使うと、嫌味として捉えられます。

Ah it was you who threw my shirt away. So nice of you!
ああ、私のシャツを捨てたのあなただったのね。本当に優しいのね!(嫌なヤツだよ!)

great で「素晴らしくない」

great は、「素晴らしい」を意味する単語です。一方、本心では全然素晴らしいと思っていないときに、嘘っぽく「great!」と言うことで、相手に嫌な印象を与えます。ポイントは少し大袈裟に言ってみることです。cool も同様の意味で使われます。

Did you make this rubbish? That’s great!
このガラクタを作ったのは君?すごいね!

are you okay? で「頭大丈夫?」

are you okay? は、「大丈夫?」と相手を心配するフレーズです。しかしながら、言い方やシチュエーションによってはかなり失礼な表現にもなります。「頭大丈夫?」「あなたおかしいんじゃないの?」という意味にも捉えられるのです。

does that make sense to you? も似たような意味の嫌味として使われることがあります。「これについて理解できる?」と確認することで、「私は理解しているけれど、あなたは理解できてるの?」と相手を見下す発言になるのです。


嫌味や皮肉の心得

どんな言葉も言い方次第でネガティブなメッセージになる

皮肉や嫌味は、英語表現を選びません。発言者が皮肉めいた意味合いを込めて用いれば、どんなフレーズも皮肉たりえます。

場面の状況や脈絡から判断する

皮肉めいやフレーズの多くは、そのフレーズだけでは皮肉とは判断できません。場面の脈絡や発言者の言い方などからそれと推察されるような代物です。

ああ皮肉だなと察する能力は、英語スキルよりも、むしろ人情の機微を感じ取るセンスのような部分にかかってくるでしょう。

英語の会話の中でも頻繁に出てきます。相手を不快にさせる「嫌味」。通常であればポジティブな意味合いの言葉も、相手にとって不快に感じるような素振りや言い方をすれば、ネガティブな意味で捉えられます。

英語で、皮肉に対して皮肉で返せるようになったら、あなたも立派な英語マスターと言えるでしょう。


irony と sarcasm の違い

日英辞書で「嫌味」を引くと、sarcasmirony が出てきます。どちらも字面と意味が異なる「嫌味」を指すのですが、それぞれ微妙に意味が異なります。

irony は「面白おかしく」

irony は、心のうちで思っていることと、反対の意味の言葉を使うことです。物事を面白おかしく言いたいときに irony を使います。「嫌味」のフレーズを使っても、少し冗談ぽく聞こえるときには irony と言えるでしょう。

We are so pleased that you’ve stayed so long!
こんなに長い間いてくれてとても嬉しく思っていますよ!

sarcasm は「非難・中傷」

sarcasm は、言っていることと明らかに反対の意味で発言することです。誰かの気持ちを傷つけるため、また誰かを非難・中傷するために使います。

irony は良い意味と悪い意味のどちらで使っているのか、相手にとって曖昧な場合もあります。一方、sarcasm は明らかに悪い意味で使っていることが分かるような表現をします。また、sarcasm は「相手を傷つけるため」など、目的もネガティブな場合に限ります。

Looking at the empty page, he said “you are such a hard worker”.
空白のページを見ながら彼は言った、「君って本当に頑張り屋さんだね」

「嫌味」を言われたときの返し方

それって嫌味?とズバッと聞いてみる

よっぽど疎い人でなければ、「嫌味」に気づくはずです。嫌味を言われたことに気づいたのであれば、are you being sarcastic?(それって嫌味?)と単刀直入に指摘するのも良いでしょう。気づかない振りをしていると、調子に乗ってさらに言ってくる人もいます。

「ありがとう」と、あえて言葉通りで受け取る

嫌味で funny!(つまらないんだけど)や great!(全然すごくないけど)と言われたら、嫌味であると承知の上で、thank you と返す手もあります。

あえて言葉をそのままの意味で受け取り、嫌味を理解するだけの機知と、それに対してムキにならない大人の余裕を相手に見せつけましょう。目元の表情で「イヤミだって事は分かっているけど」と示すのがコツです。

? Are you okay?
君、(頭は)大丈夫?
? Thank you for always worrying about me.
いつも心配してくれてありがとう





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