「お酒のお誘いの上手な断り方」を英語でうまく伝える

お酒は大人の社交にはつきものです。しかしながら飲酒には自制も必要。飲まないと決めたなら勧められてもしっかり断りましょう。そして、お酒をちゃんと断るためにも、相手の心証を損なわないような適切な英語の断り文句を身につけておきましょう。

英語で伝える「遠慮します」、やんわり丁寧に断る上手な言い方

断る場面ではまず感謝の気持ちを示す

相手が好意から(こちらを気遣って)はたらきかけてくれた場合には、返答いかんにかかわらず、まず好意に対する感謝の気持ちを伝えましょう。

Thanks, but…
ありがとう、でも、

thank you や thanks だけでもまずは十分ですが、余裕があれば for に続けて「何について感謝しているのか」も表現しましょう。たとえば offer(申し出)、concern(気遣い)、asking(訊いてくれたこと)のような表現が使いやすいでしょう。いずれも日本語には訳出されずに済まされるようなわずかなニュアンスです。

Thanks for the offer, but …
ありがとうございます、
Thank you for your concern, but …
ありがとうございます、
Thank you for asking, but …
ありがとうございます、

No, thank you. はちょっと考え物

大丈夫ですありがとう、というような意味合いの表現として「ノーサンキュー」といった言い方が頭をよぎりますが、この表現の単独での使用は、あまりおすすめできません。

No, thank you. は基本的には「いいえ、でもありがとう」という表現ではありますが、言外のニュアンスとして「いいや結構」というようなそっけない感じ、あるいは「余計なお世話ですから」というような突っぱねる感じを伴いやすい言い方です。

Thanks but no thanks. は適切だが言い方次第では考え物

Thanks but no thanks. は「ありがとう、でも遠慮しておきます」という意味合いを基本とする定番フレーズで、丁寧な断り方として使えます。

ただし、こちらも状況次第では「ありがた迷惑ですがな」という意味合いを含んでしまいがちです。

No, thank you. も Thanks but no thanks. も、いわゆる「手垢のついたフレーズ」であり、多かれ少なかれ、皮肉めいた意味で用いられやすいものです。Thanks but no thanks.  といって断る場合には、声や表情や身振りを通じて真心を表現しましょう。

自動車を運転するなら一にも二にもそれを伝える

このあと自動車を運転して帰る必要があるなら飲酒は言語道断ということになります。勧めてくれた人を加担者にしないためにもキッパリと断りましょう。

特に強い拒絶を示す必要はなく、運転を控えているのでと伝えれば十分に趣旨は伝わります。

I need to drive later.
これから運転しなくちゃなので

断り方パターン

断り方の極意は「率直に理由を述べる」ことでしょう。へたに言いつくろうよりは、飲めない。飲まない理由を素朴に伝えた方が

pass は「やめときます」を表現できる便利表現

「見送ります」「やめておきます」という意味合いで広く使える表現に pass が挙げられます。

飲みの誘いを最初の段階で断る場合にも、飲みに参加した上で次の一杯を断る場合にも使えます。

Thanks, but I think I’ll pass.
ありがとう、でもやめておきます
Thanks, but I’d better pass.
ありがとう、でもやめておこうと思います

I’d better は I had better の省略形で「~した方よい」「するべきだ」といったニュアンスを表現します。

「お酒が飲めないもので」と伝えて断る

「お酒が飲めない」と打ち明けてしまえば、それがそのまま断り文句として機能します。

do not drink(飲まない)と can not drink (飲めない)の両方の言い方が使えます。

I do not drink. は「お酒を飲《ま》ない」

do を使って I do not drink.  と述べた場合、「酒を飲む習慣がない」「お酒をたしなまない」という意味合いの「飲まない」が表現できます。

I don’t drink.
お酒は飲みませんので

can は能力的な可不可(できる・できない)に焦点を当てますが、 do は習慣の有無(する・しない)という部分に焦点を当てます。(Do you speak English ? のような問いも同様です)

I can not drink. は「お酒が飲《め》ない」

can を使って I can not drink.  と述べた場合、これは「酒を飲めない」と表現する言い方です。いわゆる下戸は、この can’t で表現する言い方がしっくり来るでしょう。

I cannot drink alcohol.
アルコールは飲めません

ひと口~1杯くらいなら飲めるけど、それが限界、という場合、「ほとんど(~ない)」という意味合いを表現できる mostly nothardly のような語を使うとうまくニュアンスが表現できます。

I mostly can’t drink that.
お酒はほとんど飲めません
I can hardly drink alcohol.
お酒はほとんど飲めません

「すぐ酔うもので」と伝えて断る

ほんの少しならおいしく飲めるけど、すぐに酔いが回ってツブレてしまうとか、ペースが遅くて全然飲み進まない、という場合も、その旨を率直に伝えましょう。

「酔う」は get drunk のように表現できます。easily(容易に)と言い添えれば酔っ払いやすいと伝えられます。

I get drunk easily.
すぐに酔ってしまうもので

体調が悪い・お酒を控えている場合

お酒は飲めるし好きだという場合も、病み上がりだったり体調が不本意だったりという健康への配慮からお酒を控える場合もあります。そんな場合は遠慮なく率直にその旨を伝えましょう。

I do not drink for taking care of myself.
調子を整えたいので今日はお酒を控えます
No, thank you. I just recovered from a cold.
今日は結構です、風邪を治したばかりなので

自分のペースで飲み進めたいときには、動詞 pace で表現しましょう。

I am pacing myself.
自分のペースで飲んでいますので

ちなみに「マイペース」は和製英語です。英語で my pace と言っても微妙に通じないでしょう。きっと。

十分飲んだ・飲みすぎを避けたい場合

すでに自分の限界を感じているときは、遠慮せずにそのことを伝えましょう。

Thank you, but I already had enough.
ありがとう、もう十分いただきました
I’d rather not, thank you.
このくらいにしといた方が良さそう、ありがとう
Thank you, but I’m feeling tipsy.
ありがとう、でもちょっと酔ってきたから

無理して飲んで飲み過ぎて、我を失って何かやらかした場合、欧米では日本よりもいっそう厳しく「恥ずべき」と捉えられます。

次の日に備えて休みたい場合

翌朝などに予定を控えていて飲酒量をほどほどに抑えておきたい場合にも、その旨を率直に伝える言い方が有効です。

I have an early start tomorrow.
明日が早いもので
I have something to do for tomorrow.
明日のためににやらないといけないことがあるので
I need to prepare myself for tomorrow’s meeting.
明日の会議の準備をしないといけないので

無理せず遠慮せず断る姿勢が重要

飲めないことは特に恥ずべきことではありません。お酌を断ることがマナー違反になるということもありません。つまり、無理をして飲む必要は全くありません。

強いて飲んで泥酔したり不埒な行動に出たりすると問題です。Alcohol cannot be legitimate excuse.(お酒はいいわけにならない)という箴言もあります。酒の勢いでは済まされない事態につながりかねないことを肝に銘じておきましょう。

酒は胸襟を緩めるためのものではあっても、タガを外すためのものではないと心得ましょう。

特に日本人は酒に弱い傾向があります。欧米人はもとよりアジアの他の地域の人と比較しても酒が弱い体質の人が多いとか。体質的に弱いという部分もあるし、自律の心構えが弱いという側面もあるようにも思われます。

泥酔している状態は英語では wastedtrashed などと表現します。他の人にそのように言われないように心がけましょう。


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