動詞wonderには、「不思議がる」「驚く」といった意味に加えて「思案する」「知りたく思う」といった意味があります。「~かな」「~かどうかと思う」と訳されます。
wonderは少しクセのある語で、扱いにくい側面もありますが、英会話の中で微妙なニュアンスを出したい場合に重宝します。使いこなせればきっと英語の表現力が一段階上達できたと実感できるはずです。
丁寧表現で「wonder」を使う
wonderは丁寧に質問をしたりお願いをしたりするときに役立つ表現です。依頼文にwonderを用いると「~していただきたいと思っているのですが」という遠回しな表現になり、会話の丁寧さの度合いが増します。
I was wondering if[whether] ~.のように時制を過去形にすると、さらに遠回しな丁寧な表現になります。
I wonder if you could show me the document.
その書類を見せていただけないでしょうか。
I was wondering if you might show me the document.
その書類を見せていただければと思っていたのですが。
質問をするときにも、Do you ~?と聞くよりもI wonder whether ~.と尋ねたほうが遠回しで丁寧な表現になります。質問文でもやはり時制を過去形にするといっそう丁寧な表現になります。
Do you quit your job and move to New York?
仕事を辞めてニューヨークへ引っ越すのですか?
I was wondering whether you quit your job and move to New York.
あなたが仕事を辞めてニューヨークへ引っ越すのものと思っておりまして。
疑問文で「wonder」を使う
wonderには、~かなあというような疑問のニュアンスを込める場合にも役立ちます。基本的には間接疑問文と組み合わせて使います。
- wonder + if で「~かどうかと思う」
- wonder + why で「なぜ~なのかと思う」
- wonder + what で「~は何だろうかと思う」
I wonder if you like the chocolate. I bought a lot of chocolate for you when I visited Belgium.
チョコレートは好きかい。ベルギーに行ったとき、君にチョコをたくさん買ってきたんだけどさ。
I wonder why she didn’t come to the party.
なぜ彼女はパーティーに来なかったんだろう。
I wonder what he is doing during class.
いったい彼は授業中に何をしていたんだろう。
think about や ask oneself などの表現も、この wonder と同じ意味用法で使えます。
「no wonder」なら「当然のこと」
no wonderは当然のことだ、それもそのはずという意味で使われる熟語です。no wonderを文頭に持ってきてそれもそのはず、~だのように用いることができます。
No wonder passengers are irritated in a crowded train.
満員電車で乗客たちが苛立つのは当然のことだ。
It’s no wonder that Emily didn’t go skiing. She hates the cold.
エミリーがスキーに行かなかったのは別に不思議じゃない。彼女は寒がりだから。