数字の「86」は英語では動詞という事実

PCで文書を作成中に数字「86」を入力するとナゾの波線が表示される場合があります。この波線はアプリケーションのスペルチェッカー機能が「これは文法上正しくない可能性がありますよ」と注意を促している印です。

このスペルチェッカーが発動する数字は86のみで、85や87ではそんなことは起きません。なぜか? 実は、数字の「86」には動詞としての意味・用法があります。86が動詞かなと疑われてしまうことによりスペルチェッカーのお節介が発動するわけです。

英語の動詞「86」の意味は「キャンセルする」「除く」

アメリカ英語の俗な用法ですが、86(eighty-six)には「キャンセルする」「除く」「処分する」といった意味があります。

Oxford Advanced American Dictionary にはこんな例文が掲げられています。

I would like a BLT, but please 86 the tomato.
BLTサンドをひとつ。あ、トマトは抜いて下さい

The men were 86ed from the bar for fighting.
そいつはケンカを理由にバーから追い出された

Oxford Dictionaries.com ではこんな例文もあります。

the passwords will be 86ed by next October
このパスワードは翌10月までに消去されます

過去形は「86ed」の他に「86’d」、「eighty-sixed」と綴られる場合もあります。現在分詞形は「86ing」。

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なぜ英語の「86」に動詞の意味があるのか

この動詞としての用法は、20世紀前半の米国のレストランやバーなどで、メニューがキャンセルされたり品切れになったりした状態を指して使われ始めたとされています。いわゆる業界用語ですね。転じて、消す、拒むといった意味に広がっていったのでしょう。俗語の「nix」に語感が似ているという推察も見られます。

 


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