英語の長文読解力を鍛える「スラッシュリーディング」と「取り消し線」書き込み法

英語リーディングにおける「多読」の学習法は、文章のリズムや単語の抽象的ニュアンスといった感覚が養える、その意味でオススメできる学習方法です。

英文読解の秘訣は「和訳せずに読む」こと。そして、そういう考え方の要領を身につけるには、やはりある程度の「読み慣れ」が必要です。

まずは「英文の大まかな構造」だけ掴むように読む

英語を読む習慣を続ける、という点を目的として読む場合は、英文を一字一句精読する必要はありません。大まかな文章の構造が把握できれば、まずは十分と考えましょう。

個々の単語の意味はそれぞれ理解できたとしても、文法がチンプンカンプンだったり文構造がトンチンカンだったりして文章の流れが把握できないと、それは「文章を読めた」とはちょっと言えません。さらに練習を積む必要がありそうです。

枝葉末節にとらわれるな

英文の読解に苦手意識を持つ人は、往々にして、「英文の中でところどころ目についた単語を拾って個別に訳し、その訳語をツギハギして意味をなす訳文を組み立てようとする」といった読み解き方をしがちです。

単語(訳語)を手がかりに断片的に意味を探っていく読み方は、どうしても英語の文章の構成・構造を無視した読み方になってしまいます。また、曜日や地名のような(わりと瑣末な)語に意識が向いてしまって、文章の本旨を見逃しがちになります。

英語文を読むときには、まずは主語と動詞を最優先に把握しましょう。できれば同時に助動詞と目的語も特定します。修飾語や関係代名詞節など、他の要素は後回しにするか無視する程度で十分です。

文章の先頭部分に着目せよ

英語文は基本的に《主語+動詞+その他の部分》という語順で構成されています。日本語は文意の肝となる動詞が最後に置かれますが、英語は重要な要素を真っ先に伝えて、後から補足していく形を取ります。

英語の読解練習として英文を読む場合は、日本語の語順に移し替えながら精読する方法ではなく、文頭から英語の語順のままで読み進めていく「英語順読解」が最も効率的です。


文章構造を掴むための読み方

「スラッシュ」を活用して構造を掴む

英字新聞・洋雑誌あるいは英語の書籍といった紙媒体で英文リーディングに取り組む場合、スラッシュリーディングと呼ばれる書き込み型の読解練習がおすすめできます。

スラッシュリーティングは、文章の「意味のかたまり」を把握してスラッシュを書き込み分割していく方法です。単語レベルでなく文節レベルで文章を見渡せるようになり、余分な修飾語などに惑わされずに文章構成を把握できるようになります。

Dr. Smith, /who is a named psychiatrist /will publish/ a new book /titled “Basics of Psychiatry”.
スミス博士 /  (この人は)著名な精神科医である / 出版する / 新しい本を / 「精神科の基礎」というタイトルで
(著名な精神科医であるスミス博士が「精神科の基礎」という新刊を出版する)

スラッシュリーディングを使うと、英文を英語本来の語順のまま受け入れて理解できる素地が養われます。これはリーディング(耳で聞く)場面の聞き取り力向上にも効果を発揮します。

スラッシュリーディングの手法で理解した英文を、日本語訳に落とし込むことは、なかなか容易ではありません。しかし英語を使ったコミュニケーションそのものには、翻訳の技能は不要です。「自分が英語を理解できれば問題なし」と割り切りましょう。

「取り消し線」を活用してザックリ読みに徹する

大まかに文章の大意を掴むザックリ読み・斜め読み・速読を意識するなら、修飾語・修飾節に取り消し線を引いてつぶしながら読むという方法もあります。これも書き込み型の練習方法です。

文章の上に 下線ではなく取り消し線を引いて、なくても文意が通じる些末な部分をつぶしながら英文を読んでいくと、修飾語などの付加的な情報がごりごりと削られて、主語・動詞・目的語といった文章上の根幹要素を捉えやすくなります。

Dr. Smith, who is a named psychiatrist will publish a new book titled “Basic ofPsychiatry”.
スミス博士(彼は著名な精神科医である)が出版する新しいは「精神科の基礎」という

取り消し線を使った書き込みは、必要最低限の情報だけ取り出す練習に役立ちます。スラッシュリーディングは「情報の整理」には向きますが「情報の選択」まではできません。

スラッシュ+取り消し線の併用がお勧め

取り消し線を正しく引くには「情報の整理」を正しく行えていなければなりません。その意味ではスラッシュリーディングの後に取り組むべき練習方法といえます。スラッシュで区切った上で取り消し線を引くような二段構えの書き込みを行うと良いかも知れません。

紙媒体を用意すると書き込み練習が捗る

スラッシュリーディングも取り消し線の方法も、紙にペンで書き込んでいく形で取り組む方法です。つまり印刷されたテキストを前提しています。

取り組み始めに用いる際の理想的なテキストは「そこそこ興味が持てる内容で」「ほどほどの分量で」「書き込んでも惜しくない代物」と言えます。そう考えると、書籍や雑誌よりも、むしろウェブサイト上の適当なコンテンツを印刷(プリントアウト)するといった取り組み方の方が捗ります。


序盤はハードルを上げすぎない心構えが継続コツ

テキストにできる英文はウェブ上に膨大にあります。大手ニュースサイトの文章などは最適でしょう。

とはいえ、不慣れな段階でいきなり長大な英文に挑もうとすると、ページを埋め尽くす英文に拒否感・嫌悪感を抱いてしまいがちです。徐々に段階的に慣れていくよう意識しつつ、学び方を制御していきましょう。

 


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