ふだん何気なく行っている掃除や洗濯などの動作は、普段の「勉強」で学ぶ機会がなく、なかなか英語表現を身につけにくいものです。
日常生活に関する表現は学問的ではありませんが、たとえば雑談で「昨日の出来事」などについて話題を切り出す際などに意外と使われます。
英語では、「掃除機をかける」、「洗濯物をたたむ」といった名詞と動詞の組み合わせがある程度決まっています。こうした、互いに相性の良い単語の組み合わせを collocation 「コロケーション」と言います。頻繁に一緒に使われるものは、ぜひ動詞もセットで覚えてしまいましょう。
→英語の作文能力を日常生活で身に着ける「英語日記」のススメ
掃除
掃除機
vacuum
二日に一回掃除機をかけています
日本語でも掃除機を「かける」と言うように、英語でも run を使ったほうが自然です。
雑巾
rag
彼は雑巾を使って大雑把に車を拭いた
rag は「布切れ」のような意味です。
ゴミ箱
米:garbage can
英:dustbin
アメリカとイギリスで主に使用される単語が異なります。
ごみはゴミ箱へ
燃えるごみ
burnable garbage
燃えないごみは unburnable garbage です。
換気する
to air out
とってもタバコ臭い!換気して頂戴!
「~を換気する」という意味の動詞には to ventilate でですが、 to air out の方が日常の会話には似つかわしい表現です。
ちなみに tabacco は、英語ではタバコ(cigarette)の中に詰められている「タバコの葉」を指します。
普段はペーパーとフィルター、葉タバコを使って巻きタバコを作っています
片付ける
to put away
母は何でも片付ける
ほこりを払う
to dust
掃除機かける前に、本棚のほこり落として
名詞として dust は不可算名詞で「ほこり」です。
浴槽を磨く
to scrub bathtub
食器を洗う
to do dishes
動詞は do で表現できてしまいます。
to wash dishes とも表現できます。どちらの表現も日常で自然に使えます。
食器用洗剤
dish soap
dish detergent と言っても通じます。
洗濯
洗濯する
to do laundry
動詞は do で十分に意味が通ります。do の代わりに wash でも表現できます。
洗濯物を干す
to hang washing out to dry
日本では普通、洗濯物は干して乾かします
「洗濯物」そのものは laundry か washing と表現します。いずれも不可算名詞という点に注意。
ついでに、furniture 「家具」も不可算名詞です。家具は机や椅子などを総称した語。洗濯物も、シャツやらタオルやら諸々を総称する語と考えると、腑に落ちます。
洗濯物をたたむ
to fold laundry
アイロンをかける
to iron
iron 自体が動詞化して「アイロンをかける」という意味で用いられます。「エクストリームアイロンがけ」は Extreme ironing 。
シャツにアイロンかけたほうがいいよ
ワイシャツは和製英語。英語では dress shirt のように表現します。
洗濯用洗剤
laundry detergent
洗濯用洗剤を入れるべきです
detergent は不可算名詞です。
しみをとる
to remove a stain
stain は可算名詞です。
化粧
眉毛をかく
to pencil in eyebrow
eyebrow が「眉毛」です。(→身体の部分を英語で何という?)
to fill in eyebrow で「眉毛を仕上げる」のニュアンスが表現できます。
顔にクリームを塗る
to rub cream on face
rub の代わりに put を用いて put cream ~とも表現できます。
マニキュアを塗る
to manicure nail
manicure も「マニュキアを塗る」という動詞の用法があります。
つけマツゲをつける
to put on false eyelashes
false はここでは「模造の」といった意味合い。fake eyelashes とも言います。
つけまは付けたくないかな
口紅
lipstick
リップスティック。
彼女は紫色の口紅をつけている
化粧水
toner
プリンターの備品にある「トナー」と同じ語です。化粧水は「肌の調子(tone)を整えるもの」くらいに理解するとよいかも。
skin toner とも言います。
彼は化粧水をつけないのに、お肌がすべすべだ
スキンローション(skin lotion)という言い方も見られますが、どちらかといえば少数派です。
ひげをそる
to shave
彼は一ヶ月ひげをそっていない
身支度
シャワー浴びる
米:to take a shower
英:to have a shower
take a shower は主にアメリカ英語の表現で、イギリス英語では have a shower のほうが一般的です。
→ アメリカ英語では「take」、イギリス英語では「have」を使う表現
タオルで顔を拭く
to wipe face with a towel
動詞 wipe は dry に置き換えて dry face with ~ とも表現できます。
歯を磨く
to brush teeth
口内の歯(tooth)はズラッと並んでいるので複数形 teeth と表現する必要があります。
動詞 brush は clean に置き換えられます。clean teeth の方がキレイにする意識がありそうな感。
歯磨き粉
toothpaste
歯磨き粉をつけて歯磨きすることが大切だ
口をゆすぐ(すすぐ)
to wash mouth
動詞 wash は rinse と言い換えることもできます。rinse はいわゆる「リンス」ですが、英語の rinse はヘアトリートメントではなく「~をゆすぐ」という他動詞、あるいは「すすぎ落とし」という名詞の意味をとります。
着替える
to change cloth
ちょっと待って、着替えなきゃ
状況にもよりますが、 cloth を省略して I have to change. とだけ言っても十分に意味が通じる場合が多々あります。
ベルトを締める
to fasten belt
fastenは「しっかりと留める」といった意味合いの他動詞。
to fasten a seat belt といえば自動車の「シートベルトを締める」という表現になります。
チャックをあける
to unzip
「チャック」は和製英語。英語では zip といいます。いわゆるジッパー。
英語の zip は動詞で「(ジッパーを)絞める」という意味でも用いられます。他動詞なので目的語を取ります。
そして zip とは反対に「(ジッパーを)開ける」動作を、否定(逆動作)の接頭辞 un- を付けて unzip と表現します。
その子は面白がってズボンのチャックを何回も上げ下げしていた
ヘアケア関連
髪を染める
to dye
dye は「着色する」「染める」あるいは「染まる」という意味の動詞。他動詞の用法で、《 dye + 目的語 +(主に色の)形容詞 》の形を取って「目的語を形容詞(の色)に染める」のように表現できます。
近頃の女子は足丈5センチばかり金髪にしたがる
寝癖
bed hair
bed head とも言います。たしかにベッドに起因する髪でしょうけど。
いつも寝ぐせがすごい
櫛でとかす
to comb hair
comb の発音は / kóʊm / 。いわゆるコームです。名詞では「櫛」、動詞では「櫛でとかす」(くしけずる)という意味があります。
もみあげ
sideburns
「もみあげは切らないでください」
顔の side が burn というわけではなく、実は人名由来の表現だそうです。
襟足
(hair around) back of the head
唐突に髪の話題に言及する場合はともかく、はなから髪を扱っている美容院などでは、 hair around は省略して back of the head とだけ言っても伝わります。
バリカン
hair clipper
「バリカン」の呼び名はフランスのメーカー「Barriquand」に由来するという見方が定説です。
バリカンで短く刈り込んだ短髪は buzz cut といいます。
→ 髪型を英語で言えますか
天然パーマ
natural curly hair
彼女の天然パーマがうらやましい
天パは立派な個性です。
駅前留学やオンライン英会話などで英語を話す際に、ある人は文法などの基礎をしっかり身に着けているかもしれません。またある人は、好きな話題についてフリートークを行っているかもしれません。もちろんこれは英語を学習する上でとても大切なことです。
しかし、上記したような日常生活でよくある機会も英語学習に生かすチャンスです。また、こういった作業は日常行うことが多いので、一回表現方法を覚えてしまえば作業する際に頭の中にパッ、と浮かんできて常に反復練習できるのでお勧めです。できることならそれを口に出してみるとなお良いですね。