一期一会は茶道の精神に由来する言葉です。この人にまた出会えるどうかなんて分からない、これが最初で最後かもしれない、そのような心構えで接したいものです。
一期一会は日本で生まれた言葉であり、直接に対応する英語のことわざ・格言・慣用句があるわけではありませんが、同じ趣旨を表現することはもちろんできます。たとえば One time, one meeting 。
「一生に一度の出会い」と表現する
率直に「一生に一度きりの出会い」のように表現すれば、とりあえず「一期一会」の精神が無難に表現できるでしょう。意味合いを重視した、やや説明的な言い方です。
たとえば once-in-a-lifetime meeting のような表現は趣旨が伝わりそうです。
once-in-a-lifetime は「一生に一度の」という意味合いで用いられる形容詞表現です。4語まとめて1セットの扱いです。
生涯一度きりの機会、という意味で、meeting ではなく chance を使って表現してもよいでしょう。
once-in-a-lifetime meeting
一生に一度の出会い
once-in-a-lifetime chance
人生に一度のチャンス
once-in-a-lifetime opportunity
人生に一度の機会
カンマづかいで格言らしく表現する
「一期一会」という文字どおりの意味と、字面構成および語感のカッコよさも加味すると、one time, one meeting のような言い方も捨てがたい選択肢です。
one time, one meeting のようなカンマづかいは、ことわざ・慣用句では多々用いられる常套表現です。 たとえば、So many men, so many minds (十人十色)とか、Nothing seek, nothing find. (求めなければ見出すこともない)とか。The older, the wiser. (年の功)とか。前の語句と後ろの語句を半ば切り離しつつ同格に関連づける用法です。
one time, one meeting をそのまま受け取るなら「機会が一度あれば出会いも一度ある」ということになるでしょうか。補足説明を求められるかもしれません。とはいえ標語・座右の銘にするには魅力的です。
率直に「出会いを大事にしなさい」と表現する
一期一会という表現の意味するところを素直に英語で説明してえいまってもよいでしょう。
Treasure every encounter, for it will never recur.
全ての出会いを大切にしなさい、繰り返されないことなのだから
treasure は名詞で「宝」という意味もありますが、動詞(他動詞)で「大事にする」という意味もあります。前置詞 for は「~のために」という付加的説明を加える接続詞です。
Treasure every encounter, for it will never recur. の文は、「一語一会」の趣旨をひもとく定番といえる文です。one time, one meetingの意味講釈にも有益でしょう。
趣向を変えて「一生に一度きり」と表現する
英語には「一期一会」がなくても、「今この時しかない!」と表現する言い方はたくさんあります。無理して日本語を英語に持ち込まなくても、趣旨の相通じる英語表現を使ってしまってもよいでしょう。
now or never
now or never は「今こそ好機!」という意味で用いられる言い回しです。今やるか、それとも永遠にしないのか、という二択を設けることで、「やるなら今しかない」という気持ちを強調する言い方です。
同種の言い回しに do or die などもあります。「やるか、それとも死ぬか」と述べて「死ぬ気でやれ」と表現する言い方です。
One Life To Live
One Life To Live は、一語一会とはちょっと趣旨がズレますが、「人生一度きり」という意味の語句です。
One Life To Live はレゲエミュージックの大家 Phillis Dillon (フィリス・ディロン)の曲名としても知られています。チャットなどではOLTLと省略されることもあります。