バイト・就活・派遣社員・正社員は英語でどう言う?

英会話はシゴトやバイトを探す上で大きな長所にできます。就活やバイト探しが英語を学ぶ大きな動機になっている方も多いことでしょう。

「就活・バイト」と「英語」という2つの要素をドンと並べて提示されると、たいていの人はまず「就活・バイトを英語ではどういうのか?」という思いを抱くでしょう。

就活(就職活動)を英語で表現するにはちょっとしたヒネりが必要です。バイト(アルバイト)は英語のようでいて英語ではない語、ちゃんとした英語を捉え直す必要があります。ここで改めて正しい言い方をつかみましょう。

バイト(アルバイト)を英語で表現する言い方

日本語のいわゆる「アルバイト」は、英語由来ではなくドイツ語の Arbeit に由来する外来語です。英語では基本的に Arbeit とはいいません。

アルバイトに対応する英語表現としては、part-time job のような言い方があります。これはご存知の方も多いはず。ただし、文脈によっては「アルバイト=part-time job」という認識ではやや違和感のある言い方になってしまうかもしれません。

バイト → part-time job とは限らない

英語の part-time job が指す働き方と、日本語のアルバイトが指す働き方は、意味的に一致する部分も多くあります。そして違いもあります。

英語の part-time job は、週に数回、数時間程度といった「部分的な勤務時間」の働き方を指す言い方です。「部分的」というのは「フルタイム勤務」を前提した相対的な言い方です。つまり、正社員のように規定の就労時間いっぱいまで勤務はしない働き方です。

裏を返せば、学生バイトをはじめとする非正規雇用労働者も、週に5日8時間以上と正社員並の勤務時間で従事しているならフルタイムで働いている労働者(full-time worker)に該当するというわけです。

これは日本語の「パート」(パートタイム勤務)についても同様です。終日勤務しているパートの方は実質フルタイムワーカーです。

学生のバイトも job や work で表現してよい

勤務形態・雇用形態にかかわらず、アルバイトとしての仕事も、正社員としての仕事も、一般的にシゴトを意味する語(jobwork)で表現できます。

職務に従事する以上、仕事には違いないのですから、言われてみればもっともな話です。

I work at a restaurant.
レストランで働いている
I got a job at the cram school.
塾に勤めることになった

英語で「仕事」を表現する単語の使い方・使い分け方

いわゆる日雇いは casual worker

勤務時間が不規則で雇用期間も特に定まっていない働き方は casual working と呼ばれることもあります。雇用形態はバイトやハケンなど様々ですが、日本語でいう「日雇い労働」に近い働き方です。


就活(就職活動)を英語で表現する言い方

日本語のいわゆる「就活」に対応する英語表現として最も使いやすい表現は job hunting でしょう。この他にも、状況を少し具体的に述べる言い方もできます。

求職は hunt で無難に表現できる

日本の「就活」(就職活動)という言葉は、情報収集から応募、選考を経て内定(採用)を獲得するまでという一連の過程を含む言い方です。英語の job-hunting も、この一連の過程をおおむね含みます。

hunt は基本的に「狩る」と訳されますが、追跡する、くまなく探す、といった意味でも用いられる単語です。(「紅葉狩り」のニュアンスに近いかもしれません)

job-hunting は職探し・求職という名詞表現です。「仕事を探す」と動詞で用いるなら hunt for a job と表現できます。「求職者」という意味なら job-hunter と表現できます。

Susan has just finished the course and started job-hunting.
スーさんはつい最近講座を修了して就職活動を始めた
Are you job-hunting?
就活してるの?
The job-hunters have a medical examination before signing a contract.
求職者は書類へ署名する前に医療検査を受ける必要がある

「職を探し中」と表現する言い方

めぼしい就職口が特に見つかっておらず調査検討している段階、という場合、「就活中」と言ってもよいでしょうが、「仕事を探しています」のように表現してもよいでしょう。

「探す」は look for ~ を使って look for a job と表現できます。あるいは、 seek for a job と言えば少しだけ堅めのニュアンスで表現できます。

探す対象である「仕事」も、job の代わりに employment(雇用)と言ってもよいでしょう。ただし、 job は可算名詞で不定冠詞を伴いますが、 employment は不可算名詞なので冠詞はつかない、という点に注意が必要です。

I’m looking for a job.
仕事を探しています
I’m seeking for employment.
職を求めています
I’m not getting a job inspite of my experiences.
経験豊富にも関わらず仕事が見つかっていません。

探し《ている》=be getting は誤解を招く

日本語の「仕事を探しています」につられて現在進行形をい、 I’m getting a job. のように表現すると、これは「もはや就職しつつあります」というような、「仕事を得ることが半ば決定している」、「もう仕事が決まっている」、という意味合いの言い方になってしまいます。注意しましょう。

「エントリー中」と表現する言い方

職探し(look for a job)の段階は一通り終えて、書類選考への応募や資料提出といった段階に進む場合、「(企業の求人に)応募する」という意味で apply for ~ のように表現できます。

日本語では「エントリー」という就活用語がありますが、英語ではこの意味合いで entry とは言いません。まあ entry と表現して通じないとは言い切れませんが、entry-level job(初心者むけの仕事)とか data entry jobs(データ入力の仕事)と誤解される可能性の方が大きいでしょう。

日本のいわゆる就活用語で「応募用紙」を「エントリーシート」と言いますが、これは和製英語であり、英語では通じないでしょう。志望動機などを書いて提出する書類は英語では cover letter(カバーレター)といいます。履歴書はまた別で resume (レジュメ)または CV と呼ばれます。

CV は Curriculum Vitae の略です。これはラテン語で「人生の物語」という意味だとか。

I’m going to apply for my mother’s company.
私の母の会社にエントリーしようと思っています
Please send us your CV through our website.
webサイトを通して履歴書の送信をお願い致します
You must write a perfect cover letter to get the position.
その職に就きたいのなら完璧なカバーレターを書かなければいけないよ

 

日本の慣習とは異なる「英文履歴書」の書き方


正社員・派遣社員を英語で表現する言い方

正社員は常勤・フルタイム勤務のように表現する

いわゆる正社員は、「雇用期間が特に限定されていない」「所定の労働時間を(部分的にではなく)全うする」、といった勤務形態で特徴づけられます。

  • 職場に常勤しているという点に着目すれば regular worker
  • 雇用期間に定めがないという点に着目すれば permanent worker
  • フルタイムで働くという点からは full-time worker

のように表現できます。worker は employee に置き換えられます。

厳密にいえば、full-time worker は、必ずしも日本語でいう「正社員」を指すとは限りません。期間限定で勤務しているハケン社員でもフルタイムで労働に従事していれば full time worker に該当します。とはいえ、普通はいわゆる正社員を指します。

契約社員は契約(請負)のように表現できる

契約社員は正社員とは異なる労働条件で雇用されている従業員を指す言い方です。対応する英語表現としては contract worker あるいは contractor といった言い方があります。contract は「契約」を指す語です。

契約社員と正社員の雇用契約の違いは、おおむね「雇用期間があらかじめ決められている」という点で特徴づけられます。とはいえ臨時・一時的というほど短期でもありません。臨時(temp)と永続(permanent)の中間という意味で permatemp と表現する言い方があり、これもいわゆる契約社員を指す語として使えます。

1日の労働時間をフルタイムで従事する場合は契約社員でも正社員と同様に full time worker と表現できます。

派遣社員は「臨時雇い」のように表現する

派遣社員は、派遣会社が労働者を確保して、働き手を必要とする会社へ出向させるという形の雇用形態です。

英語では「臨時雇い」という意味の temp という語が、日本語の派遣社員におおむね近い語として扱われます。

なお「派遣会社」は英語では temp agency といいます。agency は取次店、斡旋会社、仲介事業者といった意味の語です。staffing agency とも言います。

人手需要の増減に応じて臨機応変に出向する、という点に焦点を当てるなら、dispatch (特派)の語を使って dispatched worker 、あるいは contingent (臨時の)を使って contingent worker と表現してもよいでしょう。

I’ve been working through a temp agency. (派遣会社を通じて働いていました)というように表現すると、語弊もなく伝わります。

英語で「無職」を表現する言い方

自分は無職であると言いたい時には、 I am unemployed. と言います。unemployed は「仕事のない」「失業した」を意味する形容詞です。jobless も同じ意味で使われます。

NEET(ニート)は言うほど一般的でない

いわゆる「ニート」は、もともとはイギリスの官公庁が提唱した表現、お役所の用語です。日本では広く人口に膾炙していますが、英語圏ではさほど一般に浸透しているとは言えません。

英語でニートと言うと、まずは neat /niːt/ (こざっぱりした)と理解されるでしょう。




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