「野菜」の英語での表現の仕方や種類、数え方

野菜(vegetable)は日本語でもカタカナ表記の名称が多く、英語でもそのまま通じそうな気配ではありますが、英語の野菜の呼び名とは意外とかけ離れている場合が少なくありません。ネギやカブのようにカタカナ表記される日本語の野菜も紛らわしいものです。野菜を扱う「束」や「玉」のような単位にも要注意です。

自炊生活、レストラン、故郷のソウルフード紹介、等々、やさいを英語で表現する機会は結構あり得ます。健康的食生活と共に英語学習にも野菜を取り入れてみてはいかがでしょうか。

→「味覚」を表現する英語の形容詞【ほぼ完全版】

野菜の総称、大きな区分の呼び方

青物野菜に葉物野菜、山菜、根菜

「野菜」は英語で vegetable といいます。いわゆるベジタブルです。

  • green vegetables 青物野菜
  • leafy vegetables 葉物野菜
  • root vegetables 根菜
  • wild vegetables  山菜

「緑黄色野菜」は green and yellow vegetable と表現できますが、あまり日常的な語彙とはいえません。

葉物・青物をもっぱら念頭において「野菜=greens」と表現する場合はしばしばあります。

生野菜、冷凍野菜

野菜の状態は形容詞で表現できます。特にイレギュラーな要素はありません。

  • fresh vegetables 新鮮な野菜
  • frozen vegetables 冷凍野菜
  • raw vegetables  生の野菜
  • cooked vegetables 調理済み野菜

野菜と果物

vegetable は可算名詞で、ふつう複数形で vegetables と表現されます。他方、 fruit は不可算名詞として用いられます(「果実」という意味なら可算名詞ですが)。これは対比しつつ覚えてしまいましょう。

野菜と果物の区分の境界線は、日本国内でも一般的認識と定義にズレが生じていますが、海外でも日本の一般的認識とは多少の差異があり得ます。たとえばトマトなどはアメリカでも「野菜か果物か論争」が少なからず挙がる植物dぺす。

基本的には「料理の材料として供される、必ずしも甘くない食材は、野菜」と考えておけば、そうそうハズレることはないでしょう。でも異論があれば甘んじて受け入れましょう。


おなじみの野菜の英語名一覧

日本で親しまれている野菜の中には、英語名が日本語名称として定着しているものが多々あります。和名で扱われているけれど英語名がよく知られているものもあります。

中には発音が大きく違ってしまっていたり、外来語だけど英語由来ではなかったり、実は日本固有種で英語名にはJapanese~が付いていたりするものもあります。

根菜類

野菜名 英語名 備考
にんじん(人参、ニンジン) carrot

葉物類

野菜名 英語名 備考
キャベツ cabbage 英語での発音は/kǽbidʒ/ (「キャベッジ」に近い)
紫キャベツ red cabbage 日本語でも赤キャベツとも言います
レタス lettuce
サニーレタス red leaf letuce
または
red-tip leaf lettuce
「サニーレタス」は和製英語(というか商品名のようなもの)
ロメインレタス romaine lettuce romainie は「ローマの」という意味。エーゲ海のコス島が発祥地とされ、cos lettuceとも呼ばれる
ブロッコリー broccoli
カリフラワー cauliflower
アスパラガス asparagus
セロリ celery 発音は/séləri/。「セルリー」に近い
パセリ parsley 発音は/pɑ’ːrsli/。「パースリ」に近い

果菜類

野菜名 英語名 備考
トマト tomato 複数形はtomatoes
プチトマト、ミニトマト cherry tomato
かぼちゃ(南瓜、カボチャ) pumpkin パンプキンはオレンジ色の大きなカボチャをさす。日本のかぼちゃはtropical squash、Japanese squashなどと呼ばれる
パプリカ paprika アクセントは「i」に置かれる。パプカ。
ズッキーニ zucchini
オクラ okra 「オクラ」自体が英語名。
アボカド avocado アボドではない

土物類

野菜名 英語名 備考
じゃがいも(ジャガイモ) potato アクセントは「a」に置かれる。複数形はpotatoes
さつまいも(サツマイモ) sweet potato
紫いも purple potato
たまねぎ(玉ねぎ、タマネギ) onion
紫たまねぎ(紫玉ねぎ、紫タマネギ) red onion
にんにく(ニンニク) garlic
しょうが(生姜、ショウガ) ginger

紫キャベツは英語では red cabbage といいますが、紫いもは英語でも紫のまま purple potato という言い方が普通です。

英語で表現する「紫色」、purpleやvioletその他の表現の違い

穀類

野菜名 英語名 備考
とうもろこし(トウモロコシ) corn

英語が思い浮かばない野菜

「ごぼう」や「ほうれんそう」などはもっぱら和名で扱われていて、日本では英語名に触れる機会がなかなかありません。英語名を知ると結構ナルホドと思ってしまったりするものも少なくないはず。

根菜類

野菜名 英語名 備考
だいこん(大根、ダイコン) Japanese white radish
はつかだいこん(ラディッシュ) raddish
かぶ(カブ) turnip
ごぼう(ゴボウ) burdock
たけのこ(筍、タケノコ) bamboo shoot
れんこん(蓮根、レンコン) lotus root
くわい water chestnut

葉物類

野菜名 英語名 備考
芽キャベツ Brussels sprouts 原産地がブリュッセルのためこう呼ばれる
クレソン watercress
サラダ菜 boston lettuce
白菜 Chinese cabbage、Nappa cabbage 後者は日本語の菜っ葉が語源
水菜 potherb mustard
小松菜 Japanese mustard spinach
ちんげん菜 bok choi
春菊 Garland chrysanthemum ヨーロッパでは主に観賞用として栽培される
ほうれんそう(ほうれん草、ホウレンソウ) spinach
ねぎ(葱、ネギ) green onion、leek
にら(ニラ) leek、Chinese chive
モロヘイヤ mulukhiya Nalta jute、tossa jute、Jew’s mallowはシマツナソをさす。食材としては日本と同じく主にモロヘイヤと呼ばれる

果菜類

野菜名 英語名 備考
きゅうり cucumber
なす(茄子、ナス) eggplant
ピーマン bell pepper、green pepper 日本語のピーマンはフランス語のpiment(ピマン)に由来
とうがん(冬瓜) wax gourd、winter melon
ゴーヤ bitter gurd

土物類

野菜名 英語名 備考
里芋 taro
山芋 yam yamはヤマノイモ科ヤマノイモ属の食用種の総称。yamの中に日本の山芋も含まれる
こんにゃく devil’s Tongue、elephant foot こんにゃくの花がそのように見える。konjac(コンニャク)ともいう
わさび(ワサビ) horse radish 西洋わさび。日本のわさびを言いたいときはJapanese horse radishのように言えばよい

豆類

野菜名 英語名 備考
いんげんまめ(インゲン豆) green bean kidney beanもいんげんの訳とされるが、kindey(腎臓)のような赤い豆を持つ種をさす
えんどうまめ(エンドウ豆) pea
そらまめ(そら豆、ソラマメ) broad bean、fava bean
大豆 soy bean
枝豆(エダマメ) green soybean
黒豆 black bean
あずき(小豆) adzuki bean
もやし(モヤシ) soy sprout、bean sprout 後者はスプラウトの可能性もあり
栗(クリ) chesnut マロンはフランス語で栃の実を意味する

きのこ類
英語ではきのこ全般を総称してmushroomといいます。細かく種類を言いたいときは、基本的に「日本名+mushroom」で対応できます。

野菜名 英語名 備考
きのこ(キノコ) mushroom
しいたけ(椎茸、シイタケ) shiitake mushroom
しめじ shimeji mushroom
なめこ(ナメコ) nameko mushroom
まいたけ(マイタケ) maitake mushroom
えのき(エノキ) enoki mushroom
松茸(マツタケ) matsutake mushroom、pine mushroom
エリンギ eryngii mushroom、trumpet mushroom

英語になった日本語の野菜

近年では日本語名が海外で通じる場合もある野菜もあります。

野菜名 英語名 備考
だいこん(大根、ダイコン) daikon
水菜 mizuna
小松菜 komatsuna
春菊 shungiku
かぼちゃ(南瓜、カボチャ) kabocha
ごぼう(ゴボウ) gobo
わさび(ワサビ) wasabi
枝豆(エダマメ) edamame
豆腐 tofu

ややマイナー気味な野菜

新顔というか、日常には馴染みの薄い野菜が、あらたな食材として(時には「フーパーフード」として)紹介されることもままあります。こうした食材は海外から導入される例が多く、海外の料理に親しむためにはむしろ積極的に覚えておいて損はないタイプの食材です。

野菜

野菜名 英語名 備考
ビーツ beet ロシア料理「ボルシチ」に使われる赤い野菜
スクワッシュ squash かぼちゃの総称。西洋かぼちゃはwinter squash、ベポカボチャはsummer squashなどと呼ばれる
ケール kale
アーティチョーク artichoke
アルファルファ alfalfa sprout
ルッコラ arugula rucola(ルッコラ)はイタリア語
ケイパー caper スモークサーモンに添えたり、サラダの香りづけで使われたりする
エシャロット shallot 玉ねぎのような形と風味をしている。日本語の由来はフランス語のÉchalote(エシャロット)
フェンネル fennel 葉は香辛料などに、茎・株は食材として用いられる
チコリー chicory サラダとして、またはソテーして肉や魚の付け合わせとして用いられる
ロマネスコ romanesco カリフラワーの一種
レンズまめ、レンティル lentil
パクチー(コリアンダー) coriander、cilantro パクチーはタイ語。アメリカでは主にcilantro(シラントロ)と呼ばれる
オリーブ olive

きのこ類

野菜名 英語名 備考
アンズダケ、シャントレル chanterelle mushroom
ヤマドリタケ、ポルチーニ porcini mushroom
アミガサダケ、モリーユ morel mushroom
ヒラタケ、オイスター・マッシュルーム oyster mushroom
ホコリタケ puffball mushroom
トリュフ truffle
黒トリュフ black truffle
白トリュフ whiter truffle

野菜料理に関する英語

「おひたし」や「切り干し大根」など、日本の野菜料理にこれぞという決まった訳はありません。調理法を考えてうまく訳していきましょう。

料理名 英語名 備考
おひたし boiled~ ほうれん草のおひたしはboiled spinach
切り干し大根 dried strips of radish、dried Japanese radish julienne julienneは「千切りになった」という意味の形容詞
大根おろし grated daikon grated「すりおろされた」
煮物 stewed dishes、boiled dishes
野菜炒め fried vegetables

日本料理を英訳しづらいように、海外のレストランで目にするメニューもまた日本人には理解しづらいものです。battered「衣つきの」、braised「蒸し煮した」など、調理法に関する形容詞を押さえておくと、メニューからどんな料理かを想像しやすくなります。

海外レストランで英語のメニュー(お品書き)を読むための英単表現集

野菜を英語で数えよう

八百屋で野菜を買う場合には、野菜を扱う単位にも要注意です。日本語で「ひと」や「ひと」あるいは「ひとかけ」というように、英語でも適切な単位を表現しないと、チンゲンサイを葉っぱ一枚だけ買っちゃったということになりかねません。

野菜の数え方は可算名詞であればtwo potatoesのように「数+単語の複数形」で対応できます。ところが不可算名詞を数えるときは少し注意が必要です。

日本語の数え方に対応する英語は主に下記の通りですが、野菜の種類によって使い分けが必要になる場合もあります。野菜ごとに見ていきましょう。

・1、1株 a head of~
・1 a stalk of~、a spear of~、a ear of~、a rib of~
・1 a bunch of~、a bundle of~
・1 a bunch of~
・1かけ a clove of~

キャベツ・レタス・ブロッコリーを数える

「1」「1」というように結球する野菜を丸ごとを指す場合はa head of~の形で数えます。キャベツやレタス、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、セロリなどに使えます。

キャベツやレタス、白菜などの葉っぱを1ずつ数えたい場合はシンプルにleaf(複数形はleaves)を使うことができます。

two heads of cabbage
キャベツ2玉
three heads of broccoli
ブロッコリー3株
four lettuce leaves
レタスの葉4枚

ねぎ、アスパラガスなど細長い野菜を数える

ねぎは1本、2本と数えられ、通常数本が束になって売られています。ねぎを1ずつ数えるときにはa stalk (茎) of~が使えます。ねぎやアスパラガスなど細長い野菜、またブロッコリーやセロリなどを1本ずつさしたいときはこのstalkを使って数えましょう。

また、アスパラガスやブロッコリーにはa spear (槍) of~という数え方も使えます。このa spear of~はねぎやセロリなどの他の細長い野菜には使えません。厳密な定義づけはないようですが、野菜の形と英語の意味を考えると分かりやすいと思います。stalkは「茎」、spearは「槍」という意味の英単語です。アスパラガスやブロッコリーには茎の上に槍のような「頭」がついています。つまり「a stalk of broccoli」はブロッコリーの茎の部分を、「a spear of broccoli」はブロッコリー全体をさすと一般的には捉えられているようです。

とうもろこしを数える

とうもろこしと聞いて想像するのはおそらく皮つき、軸つきのものではないでしょうか。これを英語ではcorn on the cobといいます。このcorn on the cobを数えるときにはan ear of~を使います。また、とうもろこしの粒を1ずつ数えるときにはa kernel of~という表現が使えます。とうもろこしの穂軸のことを英語ではcorncobというそうです。

three ears of corn
とうもろこし3本
a kernel of corn
コーン1粒

アスパラガスやほうれんそうを束で数える

アスパラガスやほうれんそうは普通束になって売られています。束を表現する英語は「bundle」「bunch」「sheaf」「bouquet」など多数存在するので、簡単な使い分けを見ていきましょう。

・bouquetは日本語でもブーケというように花束をさすときに使う
・sheaf(複数形はsheaves)は主に書類の束や植物の茎の束をさすときに使う
・bundleは衣服や新聞、書籍、また生物学における神経や筋肉などにおいて幅広く使える
・bunch(複数形はbunches)は花束、バナナやぶどうなど房になる植物、鍵などに使える

簡単に説明すると上記のようになりますが、野菜における「」を数えたいときはa bunch of~がオススメです。アスパラガスはa bundle of~という表現もとるようですが、他の束になる野菜は通例a bunch of~が用いられています。また、バナナやぶどうなど「」を用いるものを数えるときにも使えます。この場合後にくる名詞は複数形となるようです。

two bunches of spinach
2束のほうれんそう
a bunche of bananas
1房のバナナ
a bundle of asparagus
1束のアスパラガス

にんにく1かけを数える

にんにくは英語でgarlicで、不可算名詞です。にんにく丸ごとを日本語では1株と数えますが、英語でも前述のa head of~を使うことができます。また、にんにくは球根ですので、a bulb (球根) of~という数え方も用いられます。

にんにくを料理に用いるとき、普通1株のにんにくを刻んで1かけずつ使うことが多いと思います。1かけを英語ではa clove of~といいます。

two bulbs of garlic
にんにく2株
a clove of garlic
にんにく1かけ

セロリを数える

数える際、少しややこしいのがセロリです。セロリは1株、または1房で数えます。1株、1房はセロリ丸ごとをさし、株で数えるときはa head of~を、1房として数えるときはa bunch of~を使うことができます。

1株の中の1本をさしたいときは、前述の「a stalk of~」、あるいはセロリ特有の表現a rib of~を使うことができます。ちなみにこのa stalk of~ですが、厳密にはa head of~と同義のようなので、勘違いなく1本をさしたいときはa rib of~を使うことをオススメします。


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