英語の「雨」(rain)にちなんだ慣用表現・フレーズ集

(rain)はとても身近な自然現象のひとつであり、日常生活にも少なからず影響を及ぼす代物です。英語にも雨や降雨を引き合いに出す慣用表現が複数あります。

英語の慣用表現に見える雨の扱いは、おおむね「予定を延期させる要因」という要素が大きいようです。雨に対する英語文化の価値観のようなものも見えてくるかもしれません。

英語で天気・天候を表現する英単語の種類【総集編】
英語の「天体」、太陽(sun)月(moon)星(star)で表現するフレーズ・慣用表現

雨(rain)を用いた英語の慣用表現

save for a rainy day (もしもの時に備える)

save for a rainy day は、「思いがけない事態のために備えておく」、とりわけ「経済的苦境(貧困)に備えて貯蓄・備蓄しておく」という意味で用いられる慣用表現です。

rainy day は「雨降りの日」という意味ですが、「もしもの時」「万が一の事態」を指す比喩としても用いられます。

雨を「台風」に置き換えてみると現代日本においても腑に落ちるフレーズではないでしょうか。

take a rain check (また今度ということで)

take a rain check は、お誘いを受けた場面などでやんわりと「今回は残念ですが」と伝える表現です。「今回は残念ながら無理だけど、機会があればそのときは是非、また誘ってね」というニュアンスを伝えられる表現です。

rain check は屋外イベントが雨天により順延された際に配布される、延期後の会で有効となるチケットのこと。小売店で商品が売り切れてしまった場合に後日購入機会を確保する意味で配られる予約券などを指す語としても用いられます。「今回と同じ条件で、でも日を改めて」という部分がミソです。

rain or shine (何が何でも)

rain or shine は、雨天決行(晴雨を問わない)という意味でも用いられますが、「雨だろうが何だろうが必ず」「何としても」という意味でも用いられる表現です。

日本語だと「雨が降ろうが槍が降ろうが」が近いニュアンスと言えるかもしれません。

rain on parade (台なしにする)

もっぱら rain on someone’s parade の形で用いられ、人の気分に水を差す場を台なしにする、といった意味を表現する比喩的な言い回しです。

華々しい行進が繰り広げられているさなか、雨が降り始める、という場面を思い浮かべると、すごく共感できる気がします。

it never rains but it pours (来るときは一気に来る)

It never rains but it pours . は文字通りに訳すれば「雨が降ることがあれば、それは決まって土砂降りの雨」という一文です。これは「物事は(特に不幸や災難は)立て続けにやって来るものだ」「事態は重なるものだ」いう意味で用いられる箴言です。「泣き面に蜂」に近いニュアンスがあるようです。

never ~ but … は「…せずに~することはない」「~する際には必ず…する」という意味で用いられる表現です。この言い方は古い語法に則った言い回しということもあり、最近では(特にアメリカ英語では)When it rains, it pours. とも言われます。

この rain は多くの場合、「災難」「不幸」の比喩として用いられます。ただし、文脈によっては、必ずしも rain はネガティブな事態の比喩とも限りません。「来るときゃ一気呵成に来る」という程度の意味合いで用いられる場合もあり得ます。英語では動詞で「雨の降り方」を言い分ける

pour も rain と同じく「雨が降る」さまを表現する動詞です。しかも降り注ぐ(pour)ような大雨を指します。

日本語では、雨足の具合は「雨がしとしと降る」というような擬音表現で表現されますが、英語では動詞そのものを使い分けて雨の様子を表現します。

  • drizzle 雨がほそぼそと降る、霧雨のような様子。
  • sprinkle 雨がパラパラと降る、降り始めの小雨の様子。
  • pour 雨がざあざあと降る、大雨・土砂降り様子。

→ 英語で天気・天候を表現する英単語の種類

right as rain (すこぶる健康・良好・順調)

asright as rain は、「とても調子が良い」「完璧な状態」「健康そのもの」といった意味で用いられる言い回しです。とりわけ健康(が回復した)状態の形容として多く用いられます。

rightには「正しい」「適切」などの意味の他に「体の調子がよい」という意味合いもあります。その上で、なぜ as rain(雨のごとく)と形容されるのか、rain にどういうニュアンスが込められているのかは、いまひとつ判然としません。

 




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