日本語の「もちろん」に対応する英語表現としては、of course や sure が思いつきます。certainly などもあります。これらの表現にはそれぞれ微妙に異なるニュアンスがあります。
この「もちろんだよ」「もちろんですとも」は相手の気持ちに応える表現です。微妙なニュアンスまで踏まえて使いこなせると、コミュニケーションも充実した気持ちのよいものになるでしょう。
【とっさに返す気の利いた一言&あいづち・つなぎ表現】
・「分かりました」「了解しました」の英語フレーズ
・お礼の返事に使える英語フレーズ集
・英語の前置き表現「どちらかと言うと」
・絶対ムリ!を伝える英語表現
・「I’m sorry」への返事に使える英語フレーズ
・英語で伝える「気にしないで」のフレーズ集
・英語で「その通り!」と伝える表現・相づちフレーズ集
・英会話を上手につなげる「つなぎ言葉」を使いこなそう
《許可を与える》意味の「もちろん」
「of course」は同意や許可を示す基本表現
of course は、同意を強調したり、許可を与えたりする場合に使われるフレーズです。日本語の「もちろん」に対応する英語表現としては最も基本的な表現といえます。
of course には「当然だよ」「当たり前さ」というような積極的で強めのニュアンスがあります。それだけに、やや強気、あるいは上から目線といった調子が出がちです。上司や賓客に対しては of course という返事の仕方は避けた方がよいでしょう。
手伝ってくれる? ― よしきた
君の教科書見ても良い? ― もちろんいいよ
富士山って知ってる?―もちろん、知ってるとも!
なお、off course と表記してしまうと「航路を外れる」というような意味合いかなと思われてしまうので注意しましょう。
少しかしこまった場面なら「by all means」も
of course と同じく「許可を与える」意味で使える英語表現に by all means があります。of course よりも堅めの表現で、フォーマルな場でも使えます。くだけた会話の中でも使えます。
依頼・申し出を受けて「もちろんですとも」「ええ是非とも」のように返す場面に使えます。
何か書くものをお借りできますか ― もちろんですとも
ひとつ提案申し上げてもよろしいですか ― ええ、是非
by all means は、日本語で「是非」と述べる意味合いで、たとえば Try it by all means.(是非お試しあれ)という言い方でも使えます。
《賛成》《賛同》を意味する「もちろん」
「sure」は同意や賛成を表す基本表現
sure は同意・賛成の意向を表現できる基礎的で一般的な単語です。ニュアンスは「 yes を少し強めた表現」のように捉えてしまってよいでしょう。surely も sure と同じ意味で使えます。
今から映画を見に行かない? ― いいね、すごく行きたい
お水をいただけますか ― はい喜んで
ここ座っても? ― はい大丈夫ですよ
少しかしこまった場面なら「certainly」
certainly は基本的に「間違いない」「全くもってその通り」という意味合いの語で、会話の中で返答に用いる場合は「本当にそうですね」とか「もちろんですとも」といった強い同意・賛同の意味いで使えます。特に相手の提案や発言に積極的に同意する場面では便利に使えます。
certainly は sure をかしこまって述べる言い方と位置づけられます。ビジネスシーンでも certainly はよく使われます。
いい考えでしょう ― ええ、本当ですね
うまくゆくでしょうか ― もちろんですとも、奥様
くだけた調子なら「you bet」
you bet は主にアメリカ英語の、スラングめいた口語表現・若者言葉です。同意や賛成を表現する気さくな言い方で、sure のくだけた言い方と位置づけられます。
感謝の言葉に対する「どういたしまして」的な返答フレーズとしても you bet が使えます。「どうってことないさ」程度のニュアンスで返せます。
今夜のパーティー来る? ― もちろんよ
助けてくれてありがとう ― いいってことよ
《依頼を引き受ける》意味合いの「もちろん」
くだけた場面なら「no problem」「 why not?」
no problem は直訳するなら「何の問題もない」。ノープロブレム。これは依頼を受けて「もちろんいいよ」「喜んで引き受けると」という意思を示す表現としても使えます。
no problem と同程度の意味で使える表現に why not ? もあります。why not ? を文字通りに捉えるなら「どうしてダメなの」「ダメということがあろうか」いったところでしょう。「断るはずがない」→「もちろんやるよ」という反語的な同意表現です。
no problem も why not ? も、家族や友人といった親密な間柄で使われる表現です。
駅まで送ってくれるかな ― もちろんさ
少し待ってもらえる? ― もちろんいいよ
why not ? は、相手が否定表現を使って何事か否定した発言を受けて述べる場合は「どうしてダメなのさ(いいじゃんよ)」という反論のニュアンスが濃くなます。
今日は外に出たくない ― 何でさ、出かけようよ
上品な場面なら「with pleasure」
with pleasure は依頼について「喜んで(お引き受けします)」というニュアンスを込めて「もちろんですとも」と述べる表現です。とても上品で優雅な表現といえます。
申し訳ありませんがこの住所までの道を教えていただけませんか? ― ええ、もちろんですとも
この手の表現は日本語では使用機会がかなり限られ、安い居酒屋で「はい喜んでー!」という声出しを耳にする程度ですが、英語では日常でも紳士的な表現として使えます。こう返されると、依頼する側も心理的負担が軽減されるでしょう。