英語の「多い」―「many」「much」「a lot of」「lots of」 の違いと使い分け方

英語で「多い」「多くの~」と表現する言い方には、 many mucha lot of lots of ~ などの種類があり、それぞれ使いどころが違います。使い分け方のコツは《「多い」と形容する対象が可算名詞か不可算名詞か》という点です。

ここがポイント

  • many可算名詞を形容します。「の多さ」を表現します。
  • much は不可算名詞を形容します。「の多さ」を表現します。
  • a lot of は可算・不可算どちらにも使えます。ややカジュアルな表現
  • lots of  は a lot of をさらに口語的にしたニュアンスの表現です。

否定文のmuchやmanyは《部分否定》で用いる
英語の「単数形と複数形の区別がない可算名詞」(単複同形名詞)

「many」と「much」の基本的な使い方・使い分け方

英語の many や much を使い分ける第一の手がかりは、修飾対象の名詞が「可算名詞」か「不可算名詞」かという点です。

「可算名詞」と「不可算名詞」は、英語の名詞を「数え上げることができるか否か」で区分する用語です。books のようにひとつふたつと数えられる名詞が「可算名詞」、air (空気)みたく「個数」を数えることの難しい名詞が「不可算名詞」です。

英語の中の「不可算名詞」の見分け方・数え方・考え方

many は「可算名詞」を形容する語

many は、もっぱら可算名詞(の複数形)を修飾し、「数が多い」「個数が多い」ことを示します。

many では不可算名詞は形容できません。詳しくは後述。

可算名詞が複数(2つ以上)ある場合、語尾に -s が付くなどの語形変化が発生して「複数形」になります。many で形容される名詞は、必ず複数形になります。

I have so many assignments to finish.
終わらせなくちゃならない宿題がたくさんある

manyを使った例文を見る

 

much は「不可算名詞」を形容する語

英語の名詞のうち「不可算名詞」は、基本的に many では形容できません。

形容する対象の語が不可算名詞の場合は、 much で形容できます (もしくは「a lot of ~」で形容する手もあります)。

たとえば soil (土)や water (水)は不可算名詞です。ひとつふたつと数えられません。いわば「数」ではなく「量」の世界。そう、「量的なもの」「質的なもの」「抽象的なもの」は不可算名詞に該当します。

water(水)の他にも、rain(雨)、effort(努力)、pain(痛み)などは不可算名詞です。

Much rain has fallen this year.
今年は雨が多かった

much は副詞としても用いられる

much は形容詞だけでなく副詞としても使われます。名詞の量だけでなく、動詞や形容詞の「量」や「程度」を形容する場合もある、というわけです。

I was much confused.
私は大いに困惑した

muchを使った例文を見る

「集合名詞」を形容する語は、場合による

名詞の語義そのものが《複数》を前提しているような種類の語を「集合名詞」といいます。集合名詞は、基本的には「不可算名詞」として扱われます。その方が英文法の体系にうまく収まります。ただし、集合名詞の中にも many で形容して自然に響く例があります。

たとえば、 people(人々)や children(子供たち)のような語は、many で形容される(=可算名詞と見なされる)場合が多々あります。おそらくは《people = person の複数形》、《children = child の複数形》という認識の上に成り立っている感覚でしょう。

Many young people are out of work in Europe.
ヨーロッパでは多くの若者が失職している

他方、furniture(家具)や baggage(手荷物)あるいは food(食べ物)といった語は、単数形に相当すると言える語もなく、many では形容できない不可算名詞として扱われます。

many や much は「so」「too」「very」と一緒に使われることが多い

いわゆる肯定文(疑問文や否定文でない普通の平叙文)の中では、many および much は、単独で用いられるよりも、むしろ、so、too、very といった(程度を強調する)副詞と一緒に使われる言い方が好まれます。

つまり、「so many books」「too many calories」「so much noise」といった表現が好まれるということです。

many books みたいにソロで使うことも可能なのですが、公文書のようなフォーマルな表現というニュアンスに傾きがちです。

I felt sick because of so many bugs.
たくさん虫がいたので気分が悪くなった
You have too much work to do.
君の仕事は多すぎるよ
Don’t make so much noise.
そんなに音をたてないでよ

口語的には、多さの程度を強調する意味合いで many many ~ と反復して述べる言い方も使われます。ちなみに、この「反復による強調」は、a lot of では表現できません。

I’m glad that I have many many good friends.
すてきな友達がたっくさんできてしあわせ

many も much も、否定文や疑問文では単独でもよく使われる

many や much は、肯定文(平叙文)では、so や too などの副詞と海合わせる使い方が好まれます。many および much は、むしろ「否定文」や「疑問文」あるいは「否定疑問文」の中で好んで用いられます。

Do you have many friends in this city?
友達はこの街にはたくさんいますか
There isn’t much milk now.
いま牛乳があまりない
I don’t have much money.
私はあまりお金を持っていない。

not manyを使った例文を見る

not muchを使った例文を見る

「many+名詞」は主語としては好まれる

many は総じて、肯定型の平叙文において単独で用いられることは少ないといえる語ですが、文の主語として扱われる場合は話が別です。文頭で主語として用いられる場合は、どちらかといえば好んで many が用いられる向きがあります。

Many Users Complain About A New Autocorrect Bug That Changes ‘It’ to ‘I.T’ Automatically
多くのユーザーが「it」を「I.T」に自動変換するオートコレクト機能のバグに苦情
―― Wccftech, Nov 28, 2017

many を含む熟語表現

many は重要な熟語・イディオムに頻出する重要な単語でもあります。たとえば、as many (~と同数の)、a good many(かなり多くの)、a great many(膨大な)といった言い回しは、早い段階で把握しておきたい重要イディオムといえますが、こういう表現では many が重用されています。

I ate as many cookies as you did.
私はあなたと同じくらいクッキーを食べたよ
Read as many books as you can.
できるだけ多くの本を読みなさい
I read 3 books in as many days.
私は3冊の本を3日で読んだ
It will take a good many days.
かなりの日数がかかるだろう
A great many people told me to leave.
非常にたくさんの人たちが私に出ていけと言った

a lot of (と lots of )の基本的な使用場面

a lot of も lots of も、意味としては many と同様「たくさんの」「多くの」と表現する語です。肯定文では many よりも多く見聞きする語といえるかもしれません。

as manyを使った例文を見る

a good manyを使った例文を見る

a great manyを使った例文を見る

a lot of は可算名詞にも不可算名詞にも使える

many は可算名詞のみ修飾できるのに対して、a lot of (と lots of )は、可算名詞も不可算名詞も修飾できます。

可算名詞か不可算名詞かの判断に迷った →  many と much のどちらで形容すればよいか迷った、という場面では、a lot of を表現しておけば誤用を免れます。

There are a lot of apples.
たくさんのリンゴがある
I cried a lot when I thought I lost you.
君を失ったと思った時はたくさん泣いたよ

a lot ofを使った例文を見る

lots of は a lot of よりも軽い表現

lots of は、a lot of とほとんど同じ意味・用法で用いられる言い回しです。違いとしては、lots of の方がくだけた度合いの強いカジュアルな表現と言い得ます。

a lot of よりも lots of の方が「より多いイメージ」を感じさせる、という感覚を抱く人も多いようです。表現のカジュアル度の違いによるものでしょうか。

There is lots of snow.
雪がたくさん降っている
There are lots of people in the park.
公園には多くの人々がいる

lots ofを使った例文を見る

a lot of と lots of は、many よりも口語的な表現

表現のカジュアルさ度合いについては、many よりも a lot of の方が口語的でくだけたニュアンスを含むとされます。lots of はさらにくだけた表現です。

日常英会話では、特に肯定文では、many よりも a lot of の方が場に合う表現になりやすく、実際に好まれます。逆に公的性格の強い文書では、a lot of も lots of もあまり好まれず、many あるいはその他の同種の表現が用いられる傾向にあります。

a lot of とlots of は肯定文で自然に使える

many とは異なり a lot of は、肯定文で口語表現として気軽に使えます。

肯定文に限らず、否定文や疑問文でも、a lot of は自然に使えます。

We have a lot of water.
お水がたくさんあります
We don’t have a lot of bread.
私たちのパンは多くありません

a lot of ~ は形容詞、文末の a lot は副詞

前置詞 of(+名詞)の形を伴わずに、文末に Thanks a lot. (どうもありがとう)というような形で言い添えられる表現もありますが、この文末の a lot は、形容詞句ではなく副詞句の扱いです。意味上は a lot of と大差ありませんが用法が違います。混同しないように注意しましょう。

a lot of を使った熟語表現

a lot of を含む熟語表現としては、quite a lot (of)(かなりの)とか、a whole lot (of)(大いに)などが挙げられます。語形が変則的になりがちで、a lot of と関連づけにくい傾向があります。

quite a lot (of) も、a whole lot (of) も、前置詞 of (+名詞)を加えて述べれば形容詞句として機能し、of を省いてしまえば副詞句として機能します。

He spent quite a lot of money.
彼はかなりのお金を使った
I feel a whole lot better now.
もうずいぶん気分がよくなった

quite a lot ofを使った例文を見る

a whole lot ofを使った例文を見る

lots of を使った熟語表現

lots of は a lot ofよりも一層カジュアルな(くだけた)ニュアンスのある表現です。たとえば、手紙や電子メールの結びの文句に用いられる lots of love(愛を込めて)などは、親密さや親愛の発露として似つかわしい文言といえます。

a lot of は繰り返しによる強調が困難であるのに対して、lots of の場合は、lots and lots of ~ のような形で反復して強調する言い方も用いられます。

I’ll send lots and lots of love from Japan.
日本からたくさんたくさん愛を送るよ

もっと他の表現を使ってみる手もある

「たくさんの」と形容する表現は色々と種類豊富で、many、much、a lot of、lots of に限りません。表現は無尽蔵といえるほど沢山あります。いろいろと探してみるのも面白いでしょう。

  • a great deal of ~ 多くの、かなりの
  • a number of ~ 数多くの
  • plenty of ~ 十分な
  • loads of ~ 多量の

a great deal ofを使った例文を見る

a number ofを使った例文を見る

plenty ofを使った例文を見る

loads offを使った例文を見る


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