英語の勉強を始めてから何年も経つのに、うまく話せる自信がない、英語で話す機会があっても言葉が口をついて出てこない。英会話のレッスンでも、つい押し黙ってしまう。そんな事はありませんか?
学校の勉強は「読み書き」の能力を高めてはくれますが、英語で会話をする場面に対しては心もとないものです。
一体どうすれば、英語で何気ない会話を進められるようになるのか、英会話を通じて他愛のない雑談を楽しむことができるのか。あらためて振り返り、英会話「雑談」能力をぐいっと引き上げてしまいましょう。
目次
勉強していても英語が話せない原因
英語の勉強を長く続けていても英会話が苦手のままの理由。最大のポイントをあえて1点だけ挙げるならば、
- 日常英会話で使用する英語表現をそもそも知らない
ということに尽きるのではないでしょうか。
これは必ずしも、「知っている英単語が少ない」ということを意味するとは限りません。
日常英会話で使われる英単語なんて、基礎的で初歩的な単語ばかりです。
いわゆる学校英語・受験英語の範囲でも十分に英会話が成立します。
問題なのは、「日常会話で単語や表現をどう使えばよいか」が今いちピンときていない点です。
極端な話、「雨(rain)という単語は知っているけど、《雨が降っている》をどう表現すればよいか分からない」という状況が、全てにおいて発生しているのです。
あるいは、生活の場に登場する道具を英語で何というか?については、ボキャブラリー不足という要因もあるかもしれません。
たとえば、「洗濯機」を英語でどう言うか分かりますか?
「洗濯機」 を英語で何というか
――― ??
洗濯機は washing machine で通じます。そう、だいたい拍子抜けするくらいカンタンなんです!
※ ちなみにランドリー(laundry)は「洗濯場」あるいは「洗い物」を指す語です。
英会話の学習にあたって心がけるべきこと
英語を意識して日常生活を送る
まずは日常英会話で使用する英語表現を身につけていきましょう。
必要な表現には学校では学ばない知識や情報が大量にあります。しかも、机にかじり付いて教科書を開いてもなかなか身につきません。
日々の生活を通じて、疑問や興味を抱き、その興味を活かして英語を記憶に定着させる学習法を習慣づけましょう。
■ 身の回りの物事を英語フィルターを通して見る
「これは英語ではどう言うのかな」と意識しながら普段の生活を送ると、イマイチ表現できない動作が次から次へと出てきます。先の「洗濯機」もそうですが、
- 靴下をはく
- 靴のひもを結ぶ
- 髪をとかす
- シャツのボタンをかける
- うすら寒い
- 強い風が吹いている
- 救急車が通った
- 交差点を右に曲がる
など、ちょっとした物事が意外と英語で表現できないことに気付くはずです。
すかさず書き留めて、心の中の「?」マークが消失しないうちに表現を調べて確認しましょう。
- 掃除に洗濯、日常生活の行動を英語でいえますか?
- ザル、おたま、おろし金。キッチン用品の英語名一覧
- 腹筋や腕立て、英語でエクササイズの種類を何と言う?
- 鎖骨、耳たぶ、脇の下、土踏まず。身体の部分を英語で何という?
- 体調が悪い!英語で何て言えばいいの?
- 天気の話をするときに使えるフレーズ
はじめのうちは知らないことだらけでウンザリしてしまいますが、しばらく続けていると、だんだんと「まだ英語で表現できない」事柄をネタ探しするようになってきます。もう、そうなったらしめたものです。
日本語を英語訳する考え方を徐々にやめていく
英語を意識しながら日常を送ることは、英語の「瞬発力」を鍛える訓練にもなります。
日常生活に限りませんが、とっさに英語で表現したり英語を聞き取ったりするための「脳の準備」が進みます。
英語を学びはじめてから当分の間は、頭の中で日本語の文章を考え、それを英語に訳して、訳した英文を読み上げるようにして話すという思考プロセスで会話することになります。
ネイティブスピーカーはもちろん、ネイティブスピーカー並の英語力を持つ人たちは、母国語を扱うように英語で直接考え、そして考えると同時に話すスキルがあります。
日常的に英語を意識することで、思考を徐々に英語脳に近づけていくことができるのです。
何を話せばよいのかを迷うことはない
雑談でも英会話教室のレッスンでも、「話題がなくて会話が始まらない」という悩みがよくあります。
本来、英語だからといって気構える必要は全くありません。日本語での雑談と同じです。
日本語でも雑談がニガテで……という人は、とりあえず次の話題を用意しておきましょう。会話流の質問フレーズはあらかじめ知っておかなくてはなりません。
- 初対面なら自己紹介、相手への質問
- 天気や気温のような、感想を共有できる話
- 自国の紹介や相手の出身国に関する質問など
話し始めで一番重要なのは 話しかける勇気です。ボキャブラリーが十分に備わっていれば言うことはありませんが、カタコトでも何ら問題ありません。
定番フレーズを身につければ困ることもない
会話にもお決まりの表現があります。特に話し始めでは定番の質問内容や回答に用いられる定番の表現・言い回しがあります。
中には日本語感覚で(日本語から直訳して)表現すると微妙に間違った英語表現になるものもあります。この際、覚えてしまいましょう。
わたしの名前は
わたしはノビといいます
My name is ~ は間違いということはありませんが、普通の会話では I am ~が常套句です。外国人に聞き取られにくい発音が含まれる場合は「as in」を使って例を出してあげるとよいでしょう。
私の今の仕事は
私はいまウェイターとして働いています
「my job is …」のような表現は基本的には誤りと見なされます(きっと理解はしてもらえますが)。
あなたのご趣味は
時間のあるときは何をしてすごしていますか
「趣味は何ですか?」に相当する質問。英語の hobby は日本語の「趣味」とは少しニュアンスが異なり、いくぶん奇特というか、誰もがやるわけではない種類の道楽を指します。油彩画やNゲージは立派な hobby ですが、読書や音楽鑑賞はふつう hobby には含まれません。
→ 趣味は英語で「hobby」?聞く人の興味をひく自己紹介のコツ
今日は雨ですね
It is rainy (today).
今日は雨ですね
天気の話題は It is ~ の形(無生物主語)がお決まりです。日本語を直訳して「Today is 」なんて言うと失敗します。
■ 余裕が出てきたら「適切でない」表現にも気を配ろう
英語にも失礼なニュアンスの表現、あまり適切でない表現があります。
相手も(こちらが初学者であるということは)理解してくれていますから、おらかに構えてくれるでしょうけれど、気遣いできる余裕が出てきたら気にかけておきたいところです。
たとえば宗教に関する質問などは基本的に好まれません。あまりにプライベートな立ち入った話題は避けておいたほうが無難です。
「fine」を使うと相手が怒る
「please sit down」は相手がムッとする
外国人に「血液型」をたずねると空気がまずくなる
表現や言葉づかいについて配慮できる余裕が出てきたら、それは英語の表現のニュアンスに対する理解が深まってきた証拠でもあります。
つまり、いよいよ中級者へ、そして上級へ駆け上がる準備が整いつつあるということ。
より気さくで親密な雑談をするための受け答えフレーズ
話し言葉では、教科書的ではないくずれた言い回し(くだけた表現)がよく登場します。気さくで親密なコミュニケーションでは特に多く使われます。
うち解けた会話が弾むと、くずれた表現が場の雰囲気にぴったりハマります。相手もこうした表現を使ってくるかもしれません。
いいよー
何かをしようという提案について賛成する時に使える、くだけた表現です。
いいよ
yes(うん)のくだけた形です。同意や同調などの意味合いを込めて幅広く使えます。
大事でない(些細な)事柄についてお礼を言われた場合に、「いいよいいよ」と軽く返答する場面でも Yup. と言って返せます。
いいね
相手の提案に賛成する時に使える、くだけた表現です。これは、特に「提案の内容はよくわからなくても、とりあえず賛成する」というニュアンスで使われます。
わかった?
自分の言ったことを相手が理解しているかを確認するフレーズです。若者がよく使う表現です。
ねえ聞いてる?
「あのさ」「ねえねえ」というような意味で、口語で使われる表現です。
I screwed up.
やっちゃったなー
「screw up」は「しくじる」という意味のくだけた表現です。
あまり重大でない、ちょっとした失敗をしたときは「I messed up.」を使います。
My bad.
私のせいだ
人にぶつかった時や、軽いミスをした時に使うフレーズです。
くだけた会話でもフォーマルな場面でも使えます。
Chill out.
落ち着こう
「chill」はスラングで「リラックスする」という意味があり、「Chill.」というだけでも通じます。
ちなみに、「Let’s chill.」というと「Let’s hang out.」(遊ぼう)と同じ意味になります。
No worries.
心配ないよ
「No problem.」(問題ないよ)、または前述の Yup. と同様、相手に感謝されたときの返答に使えるフレーズです。「大したことないよ」というニュアンスをもつ、くだけた表現です。
I really appreciate it.
本当にありがとう
「Thank you.」だけでは表しきれない感謝を示すことができるフレーズです。基本的には他のフレーズと組み合わせて使われます。
もう行かなくちゃ
別れの挨拶を切り出したい時に使う、くだけた表現です。「out of」は「outta」のように発音します。
カンパーイ!
「cheers」は、乾杯のあいさつとして使うことばです。
イギリスやオーストラリアでは、友達同士の軽いあいさつや、「Thanks.」の代わりとしても使います。
ねえ遊ぼうよ
「hang out」(ぶらぶらする)という動詞は、英語のネイティブスピーカーがよく使う表現の1つです。特に若者が話し言葉で使います。
テスト前で追い込み中なんだ
「cram」は「詰め込む」という意味で、「詰め込み勉強をしないといけない」という表現です。
日本にある塾や予備校のような場所は「cram school」と言ったりします。
I killed the exam.
試験なんて余裕でしたよ
試験がうまくいった時に使えるスラングです。「kill exams」や「kill tests」で、試験を完璧にこなすことを表します。
実践に学び実践に応用する好循環がカギ
日常会話でよく使われるフレーズは、一度意味が分かってしまえば、何度も聞き取っているうちにスムーズに理解できるようになります。学校では習わないような会話表現を知り、そして実際に聞いたときに意味が分かるようにすることが、英会話上達への近道です。